政府は4日午後0時16分、北朝鮮が飛翔(ひしょう)体を発射したとみられると発表したが、5分後に誤探知だったとして取り消した。
防衛省は、千葉県のレーダーが日本海上空になんらかの航跡が北朝鮮の飛翔体のものと誤って伝えられたためで、誤報の原因を調査しているとの声明を発表した。
北朝鮮の飛翔体が真上を通過するとみられている秋田県でも4日午前11時過ぎ、県職員が携帯電話のメールで全ての自治体にロケットが発射されたという誤った情報を伝えた。これを受け約9000人の住民にスピーカーで警戒するよう連絡した自治体もあった。陸上自衛隊の担当者が県職員に打ち上げが行われたと口頭で伝えたためだという。(c)AFP
◆ミサイル発射誤報 防衛相「自衛隊の不手際」と謝罪
浜田防衛相は4日夕、北朝鮮の弾道ミサイル発射情報を政府が誤って流した問題について、「防衛省・自衛隊における情報伝達の不手際であり、国民にご迷惑をおかけしたことを大変申し訳なく思っている」と謝罪した。防衛省で記者団に語った。
浜田氏は誤報の原因について、「一刻も早く国民に伝えたい気持ちがあり、少々前がかりになった。正確さが足りなかった」と述べた。河村官房長官から「十分に情報伝達に注意するように」との指示を受け、防衛省・自衛隊の幹部らに正確な情報伝達を指示したとも語った。 Asahi.com
与野党から厳しい批判・注文相次ぐ…ミサイル誤報で
北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」と主張する弾道ミサイルについて、政府が4日、「飛翔(ひしょう)体が発射された模様」との誤った情報を地方自治体や報道機関を通じて国民に流したことに対し、与野党から厳しい批判の声があがった。
4日正午過ぎ、「発射」情報が一時流れ、直後に撤回されたが、自民党本部には細田幹事長、公明党の北側幹事長ら与党幹部が次々と駆けつけ、一時緊迫した空気が流れた。
同日夕、自公両党幹部による「与党北朝鮮ミサイル問題対策本部」(本部長=細田幹事長)の会合が自民党本部で開かれ、柳沢協二官房副長官補が状況を説明したが、誤報の原因については「これから検討し、分析する。後刻説明したい」と述べるにとどまった。与党側からは早期の原因究明を促す意見や、5日以降も厳戒態勢を取るよう求める声が相次いだ。
会合後、公明党の北側幹事長は「(誤報は)極めて遺憾だ。今後のためにも原因を明確にしないといけない」と懸念を表明した。
自民党の中谷元・元防衛長官は「現場は大変緊張感をもって監視、観測を行っている。非常に強力なレーダーなので、情報収集の中で何らかの航跡を確認したのかもしれない」と指摘した。
自民党防衛族の閣僚経験者は「日本の危機管理能力に問題があることを明らかにしてしまったのは、非常にまずかった」と強い懸念を示した。
野党各党は政府批判を強めている。
民主党の鳩山幹事長は4日夕、奈良県橿原市での街頭演説で「確認もせず、冷静さを欠いて間違った情報を国民に伝え、緊張感を与えたことは、大変な大失態だ」と断じた。
共産党の志位委員長は長野市での記者会見で、「お粗末の一言だ。国民に誤った情報を流してしまい、緊張、不安、混乱を招いた責任は重い」と語気を強めた。
社民党の福島党首は「あり得ないミス」と強調し、国民新党の亀井久興幹事長も「ちょっとした誤情報が大変なことになる。間違いのない情報を流さないと国民が混乱する」と語った。
(参考)
タス通信によると、ロシア軍の当局者は4日、北朝鮮が「人工衛星」と主張する弾道ミサイル発射に備え、極東地域で監視を強化し、最新鋭の防空ミサイル「S―300」で迎撃する態勢を整えたことを明らかにした。
この当局者は、北朝鮮によるミサイル発射そのものは脅威ではないものの、「大事なのは人的被害を出さないこと」と述べ、領内に落ちる可能性が出た場合はミサイルを撃ち落とす方針を明らかにした。
( 読売新聞)
◆誤発表:「世界的な誤報」…海外メディア大きく報道
北朝鮮のミサイル発射をめぐる日本政府の誤発表は、韓国でもNHK報道を基に大々的に報じられた。通信社の聯合ニュースは午後0時18分(日本時間同)、「緊急」扱いで「北朝鮮ロケット発射」と速報。だが8分後には訂正を流し、同30分に「そういう情報はない」とする政府当局者の発言を配信した。
青瓦台(大統領府)では李明博(イミョンバク)大統領が関係閣僚を集め会議中で、突然飛び込んだ情報の事実確認に追われた。誤報と分かり、弁当を食べながら協議を続けたという。
同ニュースは、誤発表について「確認より迅速な情報提供を優先した結果と受け止められている」との見方を示した。また、他のメディアも「世界的な誤報」などの表現で大きく報じた。
世界の通信社も誤発表に振り回された。ロイター通信やAFP通信は日本政府の発表を受け、東京発で「北朝鮮がロケットを発射した模様」と至急電で伝えた。だが、「情報は誤りだった。日本政府が発表を撤回した」と至急電で訂正した。
中国国営新華社通信は、聯合ニュースと共同通信の報道を引用して「北朝鮮がロケットを発射した」と速報したが、間もなく「情報は誤りだった」と訂正した。
ロシアのタス通信も、日本政府の「発射」発表直後に「北朝鮮が通信衛星『光明星(クァンミョンソン)2号』搭載のロケット『銀河(ウンハ)2号』を打ち上げた」と至急電で報じ、後にNHK報道を引用しながら「発表は誤り」と至急電で伝えた。
日本政府:「発射」誤探知…5分後に発表を訂正
官邸に入る麻生首相=首相官邸で2009年4月4日午後0時22分、小出洋平撮影 北朝鮮が「人工衛星」として長距離弾道ミサイルの発射を準備している問題で、政府は4日午後0時16分、「北朝鮮から飛翔体が発射された模様だ」と発表した。しかし、5分後の同21分、「さきほどの情報は誤りで、飛翔体の発射は確認されていない」と発表を訂正。同24分、「誤探知」と発表した。官邸連絡室は同57分、「今回の誤報は、何らかの理由で、飛翔体に関する情報を誤探知したことが原因であると推測されるが、詳細は現在確認中」とのコメントを出した。
防衛省の中村吉利広報課長は「飯岡(千葉県旭市)のFPS5レーダーが日本海で何らかの航跡を探知した。それが発射情報として(首相官邸に)伝達された」と説明。
ミサイルの発射情報は、米国の早期警戒衛星からまず防衛省に連絡が入り、それが首相官邸危機管理センターに送られることになっている。同センターは発射から5〜10分後に、緊急情報ネットワークシステム「エムネット」でテレビ、ラジオなどの報道機関と自治体に通報する体制をとっており、誤情報も各自治体に流れた。毎日JPより
政府は4日、北朝鮮が「人工衛星」と主張する長距離弾道ミサイルを同日にも発射する事態を想定し厳戒態勢で臨んだが、北朝鮮は発射を見送った。政府は午後0時16分に「北朝鮮から飛翔体が発射されたもよう」と発表し、5分後に「誤探知だった」と訂正。河村建夫官房長官は記者団に「国民に心配をかけ、率直におわびしたい」と陳謝した。北朝鮮は4−8日の午前11時から午後4時に発射すると通告しており、政府は5日以降の発射に備えて警戒態勢を取っている。
防衛省は4日夕、誤った発射情報を報道機関、自治体を通じて国民に公表した原因について、米軍の早期警戒衛星が発射を探知したとの誤情報が防衛省中央指揮所に伝達され、これを首相官邸でモニターした担当者を通じ公表したのが原因と明らかにした。
防衛省によると、4日午後0時15分ごろ、航空自衛隊の防空指揮群(東京都府中市)が航空総隊司令部(同)に対し、空自弾道ミサイル監視用レーダー「FPS5」(千葉県旭市)が不審な航跡を探知したとの情報を連絡。同司令部で連絡を受けた担当者が、この情報に加え、米軍の早期警戒衛星も発射を探知したと勘違いした。
航空総隊司令部は同16分、空自レーダーと米早期警戒衛星が発射を探知したと防衛省の中央指揮所に報告した。担当者が「発射」を専用回線でアナウンス。官邸で音声をモニターした防衛省連絡官が官邸危機管理センターに伝達し、報道機関や地方自治体に誤情報が駆けめぐった。
1分後の同17分、航空総隊司令部は「FPS5」が目標を失い、早期警戒衛星情報も発射を示していないことを中央指揮所に通報。官邸は同21分に発表を訂正。防衛省幹部は「一報があったため、官邸に至急連絡した。早期警戒情報をきちんと確認すべきだった」としている。 河北より